若鮎ってどんな鮎?
5月から6月にかけて川を遡る「鮎」。川岸の梁(やな)で、鮎づくしに舌鼓を打つのは何とも風情があっていいものですね。日本の初夏の風物詩のひとつでもあります。
鮎は別名「香魚」とも呼ばれる、姿の美しい魚です。和菓子の世界でも鮎は涼を呼ぶ魚として人気があり、初夏の頃にはその姿を借りたさまざまな菓子が店先に並びます。中でも最もポピュラーなものは「若鮎」または「焼鮎」という名の菓子ではないでしょうか。
これは小麦粉と卵を使った生地を楕円に焼き、中に白餡と求肥を包んで丸め、焼印で目、尾、ひれをつけたもの。いかにも日本人の好みそうな小ぶりでほっそりとしたその姿は、 川面を泳ぐ涼しげな姿を彷彿とさせ、店先に夏の訪れを告げてくれます。お店によって焼き印のつけかたには微妙な違いがあるようですので、あちこちの若鮎を並べて食べ比べてみるのも面白そうですね。
「川魚はちょっと苦手」という方にも安心して食していただける夏のお菓子のお話しでした。