誕生餅
日本古来からの風習には毎年の誕生日を祝うというのはありません。しかし初めての誕生日(初誕生)だけはその家庭の祝い事として古くから伝えられてきたようです。
この日に餅をつく風習は全国的に今も残っています。「力餅」、「立ち餅」、東北地方では「タッタラ餅」、「コロバシ餅」、「ブッツケ餅」、「ショワセ餅」などと呼ばれ、一升餅を赤ちゃんに背負わせる行事です。
一才の赤ちゃんに、一升の餅はなかなか背負えるものではなく、多くの場合、立っているのがやっと、といったところでしょう。しかし、この一升餅を背負えるかどうかで、その子の将来を占うといった意味合いが込められているようです。
おもしろいのは、背負って歩けるということを喜ぶ地方と、転ぶことを喜ぶ地方とがあることです。秋田県仙北郡では、倒れないで歩き回ると、「成長してから家を離れて暮らすようになる」ときらい、餅を背負わせてわざと手足を引っぱって転ばせるのだそうです。同じ秋田県でも仲仙町では、餅を背負わせてから、他の子に小さな丸餅をぶつけさせ、それでも転ばなければ丈夫に育つといって喜ぶそうです
地方やそれぞれの家庭によって、呼び方や風習に大きな違いがある誕生餅ですが、子供の健やかな成長を願う親の気持ちだけは共通のようです。あなたの住んでいる地方では、どんな「誕生餅」がおこなわれますか?ぜひ私達にも教えてくださいね。